はじめに
産業廃棄物収集運搬業は、地域社会の環境を守る重要な役割を担っています。
しかし、燃料費や人件費の高騰、車両・設備の更新コストなど、経営の負担は年々増大しています。
そこで注目されているのが、補助金制度の活用です。
特に、「小規模事業者持続化補助金」と「中小企業省力化投資補助金」は、
産業廃棄物業界でも利用しやすい代表的な支援制度です。
小規模事業者持続化補助金とは

販路開拓・営業力強化に使える補助金
小規模事業者持続化補助金は、新規顧客開拓や業務効率化に取り組む小規模事業者を支援する制度です。
産廃業でも、営業活動やデジタル化の取り組みを後押ししてくれます。
活用できる具体例
- 新規取引先獲得のための ホームページ制作・チラシ作成
- 建設重機導入 による業務効率化
補助内容(一般型の例)
- 補助上限額:最大250万円
- 補助率:2/3
- 対象経費: 広告宣伝費、設備費、委託費など
- 「新しい顧客を開拓したい」
- 「下請けから元請けに転換したい」
- 「重機を導入して受注を増やしたい」
販路拡大や経営基盤の強化を目指す事業者に最適な補助金です。
中小企業省力化投資補助金とは

省人化・自動化による業務効率化を支援
中小企業省力化投資補助金は、人手不足の解消や業務の自動化・省力化を目的とした設備投資を支援する制度です。
廃棄物収集運搬業でも、現場の生産性向上に活用できます。
活用できる具体例
- 積込み作業を効率化する クレーン・リフトの導入
- GPS・運行管理システム による配車業務の効率化
- 受付・請求管理システム の自動化
補助内容(2025年度想定)
- 補助上限額:最大1億円
- 補助率:1/2〜2/3(導入内容により異なる)
- 対象: 中小企業・個人事業主
- 「人手不足を改善したい」
- 「現場作業を自動化したい」
- 「新しい設備を導入したいが費用がネック」
大規模な設備投資やデジタル化を検討中の企業に最適な補助金です。
どちらの補助金を選ぶべき?

| 比較項目 | 小規模事業者持続化補助金 | 中小企業省力化投資補助金 |
|---|---|---|
| 主な目的 | 販路開拓・営業力強化 | 省力化・自動化による効率化 |
| 対象事業者 | 小規模事業者(従業員5名以下など) | 中小企業全般 |
| 補助上限額 | 最大250万円 | 最大1億円 |
| 活用の例 | ホームページ制作、販促活動 | 機械・システム導入、設備更新 |
「営業面を強化したい」なら 持続化補助金、
「現場の効率化・省人化を進めたい」なら 省力化投資補助金 がおすすめです。
補助金申請で失敗しないために
補助金の申請には、事業計画書の作成が必要です。
計画書では「課題の整理」「取組内容」「成果の見込み」などを明確に示す必要があります。
不備や不明瞭な内容があると、採択されないケースも少なくありません。
そのため、補助金の経験がある専門家(行政書士など)に相談することが重要です。
行政書士への相談で採択率アップ

補助金申請のサポートを行う行政書士に依頼すれば、
- 採択されやすい事業計画書の作成
- 書類作成や提出スケジュールの管理
- 公募要領に沿った内容のチェック
などを専門的にサポートしてもらえます。
産廃業は、許可制度・法令遵守が必要な業種のため、業界に理解のある行政書士に相談することで、より現実的なアドバイスを受けられます。
また、長良行政書士事務所では、中小企業の経営診断・支援の専門家である中小企業診断士とチームで対応するためより実現可能性の高い事業計画作成のサポートが可能です。
費用について
| 着手金 | 10万円(税別) |
| 採択時 | 採択金額の10% |
まとめ

産業廃棄物収集運搬業でも、補助金を上手に活用することで
- 営業力アップ
- 作業効率の改善
- 経営基盤の安定化
が可能です。
年度によって制度内容は変更されるため、最新の公募要領を確認し、早めの準備を行うことが大切です。
また、補助金が実際に入金されるまでには申請からそれなりの期間を要します。その間の資金計画についても検討する必要があります。以下は、小規模事業者持続化補助金の流れになります。
小規模事業者持続化補助金の全体の流れ
【STEP 1】公募開始~準備期間(0〜1か月)
公募要領を確認
- 日本商工会議所・全国商工会連合会の公式サイトで最新の「公募要領」を入手します。
- 補助対象者・対象経費・補助率(上限50万円など)を確認。
GビズIDの取得(電子申請用)
- 申請はJグランツ(電子申請システム)を使用します。
- そのためにGビズIDプライムアカウントの事前取得が必要(発行まで約2週間)。
【STEP 2】事業計画書の作成(1〜2か月)
書類作成
- 「経営計画書」「補助事業計画書」「経費明細表」などを作成。
- 主な内容:
- 自社の現状分析(強み・弱み・課題)
- 補助事業の目的と取組内容
- 今後の効果・成果目標(売上アップ、販路拡大など)
商工会・商工会議所の確認
- 事業所所在地を管轄する商工会または商工会議所に書類を提出し、「支援機関確認書」をもらう。
- この書類がないと申請できません。
【STEP 3】申請・審査・採択(2〜3か月)
申請提出
- Jグランツにて電子申請(紙提出は不可の場合が多い)。
- 提出書類例:
- 経営計画書
- 補助事業計画書
- 支援機関確認書
- 見積書など
審査・採択通知
- 申請締切後、審査期間は約1〜2か月。
- 採択されると「採択結果」が公開され、メール等で通知があります。
- その後、交付申請手続きを行い、「交付決定通知書」が届いて正式にスタート。
【STEP 4】補助事業の実施(3〜6か月)
補助対象経費の執行
- 交付決定日以降に発注・契約・支払いを行います(※事前契約は対象外)。
- 経費例:
- チラシ・看板作成、ウェブサイト制作
- 展示会出展費、店舗改装、機器購入など
- 支払いは原則「銀行振込」で行い、領収書・請求書・振込記録を保存します。
【STEP 5】事業完了・実績報告(7〜8か月)
実績報告書を作成
- 事業完了後、1か月以内に提出。
- 添付資料:
- 請求書・領収書・振込記録
- 実施前後の写真
- 成果報告(例:新規顧客数、売上変化など)
書類審査
- 事務局が確認し、不備がある場合は修正要請。
- 通過すると「確定通知」が届きます。
【STEP 6】補助金の入金・フォローアップ(9〜12か月)
補助金の入金
- 実績報告が承認されてから、1〜3か月後に指定口座へ振込されます。
- 補助金は後払い(立替制)です。
事後報告(フォローアップ)
- 1年後に「事業効果報告書(フォローアップ)」の提出を求められる場合があります。
- 例:売上推移、雇用状況、販路拡大の効果などを報告。
全体スケジュール目安
| フェーズ | 内容 | 期間の目安 |
|---|---|---|
| 公募~準備 | 公募要領確認・GビズID取得 | 約1か月 |
| 計画書作成 | 経営・補助事業計画書作成、商工会確認 | 約1〜2か月 |
| 申請・採択 | 審査~採択結果通知 | 約1〜2か月 |
| 実施期間 | 補助事業の実施・支払い完了 | 約3〜6か月 |
| 実績報告~入金 | 書類提出・審査・入金 | 約2〜3か月 |
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申請の方法や採択のポイントを知りたい方は、ぜひ一度ご相談ください。
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