産業廃棄物収集運搬業許可は何県で取ればいい?必要な都道府県を行政書士が解説

産業廃棄物収集運搬業許可を取得するとき、

「会社がある県の許可を取ればいいの?」
「産業廃棄物を運ぶ途中で通過する県の許可も必要?」
「全国で仕事をするなら47都道府県すべて必要?」

といったご質問をよくいただきます。

結論からいうと、産業廃棄物収集運搬業許可は、原則として産業廃棄物を積み込む都道府県と、降ろす都道府県の許可を取得します。

単に運搬途中で通過するだけの都道府県については、原則として許可を取得する必要はありません。

この記事では、産業廃棄物収集運搬業許可をどの都道府県で取得すればよいのか、具体例を交えて解説します。


目次

産業廃棄物収集運搬業許可は積む県と降ろす県で取得する

産業廃棄物収集運搬業許可は、基本的に次の2か所を基準に考えます。

① 産業廃棄物を積み込む場所がある都道府県

② 産業廃棄物を降ろす場所がある都道府県

例えば、

愛知県の工事現場で産業廃棄物を積む

岐阜県の処分場へ運ぶ

という場合、原則として必要になるのは、

愛知県 + 岐阜県

の産業廃棄物収集運搬業許可です。

会社の本店や営業所がどこにあるかではなく、実際に産業廃棄物をどこで積み、どこで降ろすのかを基準に考えるのがポイントです。


通過するだけの都道府県の許可は原則不要

よくあるのが、

「運搬途中に別の県を通る場合、その県の許可も必要ですか?」

というご質問です。

原則として、産業廃棄物を積み込んだり降ろしたりせず、単に通過するだけであれば、その都道府県の許可は必要ありません。

例えば、

愛知県で積込み

三重県を通過

奈良県の処分場で荷降ろし

という運搬で、三重県では積込みも荷降ろしもしないのであれば、基本的には

愛知県 + 奈良県

の許可を検討することになります。

「走行するすべての都道府県の許可が必要」というわけではありません。


会社所在地の都道府県の許可は必ず必要?

これもよくある勘違いです。

例えば、愛知県に本店がある会社だからといって、必ず愛知県の産業廃棄物収集運搬業許可が必要になるとは限りません。

例えば、

本店:愛知県
積込み場所:岐阜県
処分場:三重県

で、愛知県内では産業廃棄物の積込みも荷降ろしもしないのであれば、基本的に検討するのは

岐阜県 + 三重県

です。

産業廃棄物収集運搬業許可では、会社所在地だけで判断するのではなく、実際の収集運搬ルートを確認することが重要です。


同じ県内だけで運搬する場合は?

例えば、

愛知県内の工事現場で積込み

愛知県内の処分場へ運搬

という場合には、基本的には愛知県の産業廃棄物収集運搬業許可を取得します。

岐阜県や三重県など、他県の許可まで取得する必要はありません。

そのため、

「とりあえず東海3県を全部取っておこう」

と考える必要は必ずしもありません。

実際に予定している排出場所と処分先を確認し、必要な都道府県を選ぶことが重要です。


複数の都道府県から収集する場合は?

取引先が増えると、必要な許可も増えていきます。

例えば、

  • 愛知県の取引先から収集する
  • 岐阜県の取引先からも収集する
  • 三重県の取引先からも収集する
  • すべて愛知県内の処分場へ運搬する

という事業を行うのであれば、原則として

愛知県・岐阜県・三重県

の許可を検討することになります。

今後の営業エリアまで考えて、最初から複数県へ同時に申請するケースもあります。

ただし、申請する都道府県が増えれば、その分申請手数料などの費用も増えます。

「将来使うかもしれない」という理由だけで必要以上に許可を取得するのではなく、現在の取引先や今後の営業計画を踏まえて申請先を決めることをおすすめします。


積替え保管を行う場合は注意

ここまでの説明は、基本的に積替え保管を行わない産業廃棄物収集運搬業許可を前提としています。

排出事業場から収集した産業廃棄物を自社の施設などへ持ち込み、一時的に保管してから別の車両などで処分場へ運搬する場合には、積替え保管を伴う収集運搬に該当する可能性があります。

積替え保管を行う場合は、通常の「積替え保管なし」の収集運搬業許可とは異なる検討が必要です。

単純に「積む県と降ろす県」だけで判断せず、事前に行政や専門家へ確認することをおすすめします。


政令市や中核市の許可も必要?

以前は、都道府県とは別に政令市などの許可が必要となるケースが多くありましたが、現在は制度が変更されています。

積替え保管を行わない一般的な産業廃棄物収集運搬業であれば、原則として都道府県の許可で、その都道府県内の政令市・中核市を含めて収集運搬することができます。

ただし、積替え保管を行う場合などは取扱いが異なることがありますので注意が必要です。


何県の許可を取ればいいかわからない場合

産業廃棄物収集運搬業許可を初めて取得する場合、

「どこから仕事を受けるかわからないので何県取ればいいかわからない」

ということも珍しくありません。

その場合は、まず次の3点を整理してみてください。

  1. 産業廃棄物をどこで積み込む予定か
  2. どこの処分場へ運搬する予定か
  3. 今後どの地域で営業する予定か

これが分かれば、必要な許可をかなり絞り込むことができます。

例えば、愛知県を中心に営業し、岐阜県・三重県の取引先からも収集する予定があるのであれば、東海3県をまとめて取得することも選択肢になります。

一方、当面は愛知県内でしか収集運搬を行わないのであれば、最初から他県の許可まで取得する必要性は低いでしょう。


まとめ|「積む県」と「降ろす県」を確認しましょう

産業廃棄物収集運搬業許可を何県で取得すればいいのか迷った場合は、まず産業廃棄物を積み込む場所と降ろす場所を確認しましょう。

基本的な考え方は、

積み込む都道府県 + 降ろす都道府県

です。

運搬途中に通過するだけの都道府県については、原則として許可は必要ありません。

また、会社の所在地だけで必要な許可が決まるわけでもありません。

長良行政書士事務所では、愛知県・岐阜県・三重県を中心に、複数の都道府県への産業廃棄物収集運搬業許可申請に対応しています。

「自社の場合は何県の許可が必要かわからない」という段階でもご相談いただけます。

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